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昨日の私:煩悩 [Life]

夜が明け始め、日中の喧騒とはうってかわって、このムンバイのど真ん中でも鳥のさえずりが聞こえる、朝5時45分。前夜遅くに出張から戻ったばかりの夫は起きないかと思ったけど、5時半には起きてきたので驚いた。時間と同時にドアベルが鳴り、ヨガのインストラクターが入ってくる。

先生の低いソフトな声でとなえられるマントラ。そんなポーズ無理でしょー!と体が悲鳴をあげながら(隣の夫も相当辛そうだ)、でもどこか懐かしい感じが込み上げてくる自分の体(昔、自分が母の子宮の中にいたときの温かい感じに似ている気がする)。Pranayamという呼吸法をやり、酸欠で頭がくらくらしながら目をつぶってじっと自分の体と外界に感覚を澄ます。気がつくとじっとり汗をかき、1時間のヨガが終了する。すると予想に反してすっきりした体と心。

今の仕事先は、プロじゃないなーとフラストレーションがたまることがたくさんある。社会的弱者のために働いているといいながら、重役(ったって40代がせいぜいの、会社の発起人たち)たちが巨額の給料をもらっていることを突然最近知った。彼らのパフォーマンスの低さに愕然とすると同時に大きな憤りを感じる。もっと、組織は小さくてもいいからプロ意識のある人たちとバリバリ社会のためになる仕事をしたい!と思うのだけど、なかなか思う通りに物事を進めることができない。そんな自分にも歯がゆい。

そんな今の私の生活に、すっと、「無」の心地いい、体を酷使する時間を持ち込んでくれるヨガの時間。村上春樹の「1Q84」に出てくる青豆さんを思い出す(私のは比較するのも申し訳ないくらい初歩の初歩だけど)。家庭内暴力を受けた女性たちのシェルターと、traffickされてきた少女たちが重なる。手を止めると心が混雑してくるから手を止められないのだけど、本当にこのままでいいのか。どこへ進むのか。私の煩悩は深まるばかりだ。

写真は美結の大好きな学校のお友達。韓国と日本はやっぱりたくさんの共通項がある。ずっと仲良しでいてほしい。
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ヨガ:体と心 [Life]

夫と、ずっとやろうと言いながら、なかなかできなかったヨガ@おうち。夫とふたりでプライベートレッスンを受ける計画は、生活が落ち着かないと定期的な時間のcommitができなかったので、ずっと延期され続けてきたのだけど、ようやく先週始めることができた。

インド人のお友達に紹介をしてもらった先生は、うちの運転手さんと同じスラムあたりに住んでいるらしく、リシケシュ(インドの聖地でヨガ修行所がたくさんある)で訓練された彼の体はマッチョそのもの。堀の深い目の奥に潜む光はとても鋭いのに、レッスンを始めるととてもソフトな教え方。いろいろなものが「意外」で「ばらばら」で、でもその教え方はとても落ち着いていて、私はその先生をとても気にいった(ヨガの先生は千差万別で、うちのマンションでやっているヨガは雑談混じりの単なるエクササイズだったりする)。

毎日、嫌なこともあれば、物事が思うように進まなくてイライラする日もあって、「今日はいい日だった」と思える日ばかりではない。そんな毎日の中にいると、自分の心にばかり目がいきがちで、体のすみずみにある筋肉や骨の存在を忘れがち。でも、心を無にして(求められるpostureが痛すぎて、心を無にせざるを得ない)、体を構成するものひとつひとつの存在を再確認し、呼吸がこんなにも浅くなっていたんだ、なんてことに気づいたりして、終わったらなんだか心までがすっきり落ち着いたのだ。スゴイ!

今まであまりこういうこと感じたことなかったけど(ジムで通っていたヨガもエクササイズ主目的だったからなー)、これがヨガの真髄なんだなー。なんとなく、「インド」な感じで嬉しい。毎週火曜日と土曜日。火曜日は朝5時45分から。ヨガは早朝がいいらしい。ヨガが終わったら、プールへGo!週末らしい一日です。

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裁判所にはワンピースでは入れません [Microfinance]

昨日、仕事でヒジュラの支援団体のボスに会いに行ったとき、「明日、最高裁判所で判事たちに本を配るのを手伝ってくれないか?」と言われた。たくさんの本を配るので人手が必要なのかと思ったら、「当事者が配るより、その問題に関心を持ってくれているあなたたちが配ってくれた方が効果が大きいから」と言われた。ま、関係性の構築も仕事の一環だし、ヒジュラの人々が基本的人権をはく奪されている状況は憂慮すべき事項だから、「いいですよ」とお返事した。「dress code(服装規定)はありますか?」と聞くと、「着物でもいいですよ(笑)」と言われた。私は、膝下の丈の、こげ茶のワンピースを選び、普段のサンダルを避けてヒールのある靴をはいて、最高裁判所へ出かけた。

同僚が遅れていたので、先にヒジュラ支援団体の人と裁判所内に入ろうとしたら、入口のセキュリティで止められた。「?荷物チェック?」と思っていると、警察の人たちが口々に「おまえは、"SHORTS"を着ているから裁判所内には入れない!」と叫ぶ。は?Shorts?私、膝下丈のスカートですが???と思ったら、「足が全部かくれるインド服かズボンをはいてこなければおまえは入れない」と怒られた。ええええええええ????何ここ?どこ、ここ??周りを見ると、ベートーベンみたいなカッコしている判事とかいるけど、確かに女性は皆サリーかサルワールカミーズか黒の長ズボンをはいている。。。。

同行していた支援団体の人があわててボスに電話し、私がセキュリティで止められたことを報告する。私はそのボスに非礼を詫び(でもこの格好、そんじょそこらのインド服よりエレガントなんだけど!)、近くの店でインド服を買ってで直す、と言うと、「その必要はない。そこで待て」と言われ、電話を切られた。こういう「プロトコール」には、インドはうるさい。イギリスの植民地の名残であり、そこにレゾンデータルを見出す上流階級の人たちがごまんといるから、裏金でも渡さない限り、こういうプロトコールの問題を突破できることは、まずほとんどない(ほとんど意地の世界である)。だから、遅れている同僚を待ちながら、裏にあるインド服やに飛び込むことを思い描いていた。

そしたら、突如「ボスの男」(裁判所の中の人だと思う)が現れ、「こっちにこい」と言われ裏へ連れて行かれた。裏には警察の責任者の部屋があり、そこに入ると「ボスの男」は状況を責任者に説明し始めた。そしてその男は最後にボスの名前をその責任者の耳に囁いた。そしたら、今まで首を横にしかふっていなかった責任者の顔色が変わった。彼は私に座るように指示し、どこから来たのかと聞いた。「日本です」と答えると、「日本は日いずる偉大な国だ。今、部下にショールをとってこさせるから、ショールをはおって中に入るように」と言われた。「え?ショールがあれば入っていいのですか?」と聞くと、「私は服装規定と裁判所内の秩序を守る最高責任者だ。先週、私は服装規定違反の外国人に罰金を課したところだが、あなたは日いずる偉大な国から来たから、チャイを飲んでいくことを課すことにしよう」とか言って許可してくれた。

争点は、私の肩ではなく、「足」だったはずなのに、なぜかショールを羽織らされて中に入れてもらった(ちなみにチャイはgingerが効いていておいしかった)。中に入るとノースリーブのインド服を着ている女性は何人もいた。。。意味不明!でも、ま、いっか。入れたし。

ということで、その後、ひとつひとつの判事部屋へ行き、ヒジュラの人々の生活と問題について書いてある本と映画を配り(もちろん、その許可は取ってありましたよ)、状況説明をする同僚の後ろで、私はニコニコと笑顔を振りまき、最後に「ありがとうございました。どうぞこの惨状をご理解ください」とつけ添え続けて2時間を終えた。受け取りを拒否する判事部屋もあるだろうと思っていたけれど(ヒジュラの表紙を見るだけで眉根をひそめ、目をそむけるひとがほとんどなのである)、皆受け取ってくれた。

世の中を動かしているのは、ネットワーク力を持った人々であり、インドにおける彼らの持つ影響力というのは半端ない。今日の「ボス」はインド1,2を争う大企業の副社長。彼はいろんな「魔法」を手中に持っている。
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マイクロファイナンス@インド(私見) [Microfinance]

私たちが今やろうとしている、社会開発型マイクロクレジット事業は、インドではなかなかマイクロファイナンス機関(以下、MFIという)が手を出せない社会的最弱者層の人々をターゲットにしている。マイクロファイナンスというと、あたかもそれは貧困削減のツールとしてのポジショニングを確立しているかのように思われ、「社会的最弱者層の人を対象にせずして誰を対象者にするんだ?」と思われるかもしれない。

インドではアンドラ・プラデシュ州で2010年、MFIの顧客である農民たちの一部が返済不能に陥いり、あまりに取り立てが厳しかった&村社会という環境の中でその状況が苦痛となり自殺者が相次いだ。ここまではどこかで聞いたことがあるような話。インドはここからが違う。農民に政権基盤を持つ政治家たちがこの状況に介入したため、同州ではMFIの顧客(=農民)は今までのローンを返済しなくてもいいという法令を作った(ローンの踏み倒しが合法化されるなんて聞いたことがあるだろうか?)。その結果、同州で操業してきた大手のMFIが倒産の危機に追い込まれ、その影響は他州にも及んだ。最終的には、インドの中央銀行がMFI規則を定めたのだが、プロダクトからプロセス、果てはMFIの内部オペレーション方法まで細かく規定され、MFIの活動は大幅に制約を課され、現在に至るまでインドにおけるマイクロファイナンスを取り巻く状況は、MFIにとって極めて強い逆風にある。

その規則下では、住居証明がない人はMFIの顧客対象外である。農村の状況はまだよくわからないけれど、少なくともムンバイには住居証明と無縁で暮らしている人はごまんといて、私たちの事業パートナーが「彼らは住所を、私たちが服を着替えるのと同じように、変える」と表現する状況がはびこっている。前回ブログで紹介したヒジュラの人々もしかり、身を隠さなければならない状況が多い売春婦たちや、不法占拠地に暮らすゴミ拾いコミュニティの人々もそうだ。彼らの多くは、住む場所もお金も、仕事と呼べる仕事もなく、愛してくれる、守ってくれる家族も社会もない。だからこそ社会的最弱者層なのだ。そして、マイクロファイナンスのようになんとか毎日のお金をやりくりするためのツールにもアクセスできないから、そのどうにも回らない首は更に回らなくなってしまう、という負のスパイラルに陥っている。

MFI側も貸し倒れを防ぐ手段が見当たらなければ、それら社会的最弱者層にunsecured loan(無担保ローン)を提供することは難しい。5人組などのグループを課し、連帯責任という枠組みを担保することでその貸し倒れリスクを防いできたが、これはそもそもコミュニティ基盤のあるグループでしか機能せず、それら社会でも最近はグループローンの弊害(自分の財務状況を隣人に知られたくない、能力の低い隣人の返済をなぜ私が助けなければならないのか、などなど)の方が強調されているため、リスクヘッジの手法としては有効でなくなってきているのが現状だ。そんな中で、都会の、各地域からの流れ者たちの集まりであることが多い社会的最弱者層にこの手法が有効だと考えるのは、あまりに安直すぎる。

そんな背景の中、どうやって貸し倒れを防ぎながら、最弱者層の人々が貧困の負のスパイラルを抜け出すことができるか、それにただただ腐心してプロダクトを作る作業をしているのが、最近の私。そしてそれをするためには、もっとクライアントを知らなければならない。ということで、とにかく会う回数を増やす。ヒンディ語ももっと勉強しないといけない。
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一生の宝もの [Kids]

維人が大好きなお友達が学校にふたりいる。それ以外にも仲良しのお友達はたくさんいるのだけれど、特に、このふたりの男の子たちが大好きだ。ふたりともインド系の目のクリクリとした子たちで、よくしゃべりはするけれど、いかにも末っ子の、おっとりとした、すれていない、友達思いの子たちである。こちらでは、放課後家に遊びに来ることをplaydateというのだけれど、週に1-2回は必ず3人のうちの誰かの家でplaydateをしている。遊びも、子供らしい遊びを好み、サッカーをしたりクリケットをしたり、一緒にピザを食べながらDVDを観たり、外で走り回ったりかくれんぼをしていて、3人で転げまわりながら、笑い転げながら楽しそうに遊んでいる。

維人が生まれて初めて、ひとりでお友達のお家に泊りに行ったのも、そのうちのひとりの男の子の家だった。2週間後、ふたりが維人の家でお泊りをすることになっている。ふたりとも、親元を離れてお友達と寝るのは生まれて初めて、だそうだ。

この3人の遊びを見ていると、男の子というのはなんとやんちゃで、まっすぐで、冒険が好きなのだろう、としみじみ思う。見ているこっちが清々しくなるほどだ。もちろん、やんちゃだから「コラーーー!(怒)」ということもあるけれど、単純だから許せてしまう。心すっきり、と。お互い遠慮がなく、それでいて誰かが間違ったことをしたら、声高に指摘するのではなく、「それやっちゃだめだよ」と囁く。難しい問題は、3人で知恵を出し合って考える。3人いつも一緒だけど、決して排他的ではない。そんな友達に恵まれた維人は、とっても幸せだなぁと思う。

ふたりとも、うちにくるとトトロのDVDに真剣に見入り、日本のせんべいやお菓子、飴をこよなく愛し、麦茶を飲み干す。"Antie, please take us to Japan with Koreto. We want to go!!!"を連発するふたり。この友情があるから人生が豊かなんだ、と気づけるような年齢になるまで、彼らの友情が続いたらどんなに素晴らしいだろう。ひとりは、この6月で転校が決まっており、もう一人も来年の夏にはカナダに帰ると言ってるけれど。。。。温かい友情は、一生の宝である。母は、維人の友情が両想いのうちは、なんとしてもそれを守ってあげたい、と思う。写真は、今日のplaydateでのふたこま。

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