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多様な生き方2:NGOで働く人々 [Microfinance]

NGO訪問をしているといろいろな人に出会う。障害者支援のNGOで重度の知的障害者と真摯に向き合い、施設に通ってくる障害者たちを「私の子供たち」と表現する女性。夫が心臓発作で出張中に突然死亡し、その亡き夫の遺志をついでEunuchs(Eunuchsについてはこちらの記事参照)の話に耳を傾け、ともに涙する女性。自らもrag pickersコミュニティで育ち、強烈な臭いと信じられない数のハエに囲まれながらも、そんなrag pickersが抱える数々の問題に立ち向かう女性。隣国や国内の農村からhuman traffickedされ売春婦として働かされてきた女性たちを救い出し、職業訓練して仕事に就かせる、ということを、感情的にならず冷静に理性的にやりとげる女性。私は決してfeministではないと思うけれど、献身的にこの分野で働く人の中には女性が目立つ。

もちろん、男の人だっている。とあるEunuch支援団体のトップは、インドの大手財閥企業のsenior vice presidentだ。明日も彼と会うのだけれど、Bank of Indiaでも働き、医者でもある彼は、独特の世界観を持ちながらもEunuchの市民権獲得のために政府と掛け合ったり裁判をしかけたりしている。別のEunuch支援団体ではHIV対応に力を入れているが、そのプログラムマネージャーは元々グローバル企業の営業マンとして15年間バリバリアフリカで働いていた、とっても頭の切れるゲイのお兄さん。その組織の意思決定は、"community based organization"だから、その"community"出身者(=皆ゲイ)が行っている、というユニークさ。その活動は多くの国際機関から認められ、メンバーの中にはマハラジャの息子=プリンスもいる

どの人も、大したお給料をもらっているわけではない。直接聞いたわけではないけれど、それらNGOの報告書を読む限り、彼らのお給料は月15,000ルピーから25,000ルピーといったところだろう(日本円でだいたい22,000円~37,000円くらい)。もちろん、senior vice presidentは無給で、むしろ私財を投じている。そんな状況だけど、身を粉にして、とっても長い期間、彼らはそのコミュニティが抱える問題に向き合っているのだ。

ムンバイにいると、なんでこんなひどい人ばっかりなんだろう、と思う時もあるけれど、インドにはそんな素敵な人たちがいる。彼らは、何かとずっと闘っている。私はそういう闘っている人が好きだ。彼らの眼は真剣で、輝いており、そして温かい。そんな人たちと事業を立ち上げるって、考えただけでワクワクする。もちろん、事業実施前も実施中も問題満載だと思うけど、前に進めたい、という強い気持ちを私の中に作り出してくれる。
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League優勝 [Kids]

維人はサッカーチームに入り、毎週土曜日総当たり戦の試合をしてきたのだけれど、見事リーグ優勝!たまたま維人のチームに上手なストライカーがいて、一般的にイメージするような「上手なチームプレー」でそのリーグ優勝を成し遂げたわけじゃないんだけど、とにかく本人たちは大喜び!そして維人も人生初のトロフィーをいただき、とっても嬉しかったのでした。

この10週間の試合を通じて、サッカー自体が上達したとはあまり思わないけど、知らない子供たちとチームを作り、competitiveな環境でどう自分のポジションを確立するか、を、Daddyと一緒に考え、全うする(=チームメートに認知される)ということを学んだと思う。とても、大事なことだ。皆がエースストライカーになれるわけじゃないし、また皆がなる必要はない。大切なことは、そのチームの中で自分の役割を認識し、その役割においてreliableだと周りに認めてもらうことだと思う。その上で、上を目指していけばいい。維人がそんなことを体で理解できたらいいなぁと思う。そして、それに向かって維人をleadしていく夫はとても上手だなぁと思う(私はオロオロするだけ。。。)。

インドは4-5月がローカルスクールの夏休みらしく、6-10月はモンスーンなので、サッカーは今月で終わり。短い屋外運動シーズンです(涙)。

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多様な生き方1:ヒジュラ [Microfinance]

マイクロファイナンスの私の仕事は、新規事業の立ち上げ。それをするために、この2ヶ月間、いろいろなNGOやその活動現場を訪問している(そしてあと2-3カ月それは続く)。この新規事業では、これまで通常のマイクロファイナンス機関が顧客層としてターゲットにできなかった(これはまた今度書くけれど、「貧困層」の人全員が盲目的にマイクロファイナンスの顧客になれるわけではない)、社会的最弱者層を顧客とするスキームを作り、パイロットプロジェクトを実施することでその人たちの生活改善を行う。ムンバイの「社会的最弱者層」に属する人々はたくさんいるけれど、私たちは今6グループをターゲットとして考えている。ゴミを拾って歩いている人(Rag picker)、物乞いをする人、障害者、ハンセン氏病患者、ヒジュラ(下記参照)、売春婦。どれも興味深いテーマばかりだ。なかなかその実態を描写する報告書はないから、少しずつ、訪問したら書いてみようと思う。

今日の訪問先は、ヒジュラ(Eunuch)のとあるグループのドン。Eunuchという単語を聞いたことがあるだろうか?辞書を引くと「去勢された男、宦官」と出てくる。ヒジュラは、インドネシアやマレーシアにいる「おかまちゃん」「性転換者」とは少し違う。4000年前から存在し、昔は王族の身内として、王の何人もいる妃たちに仕え、踊りを職業としながら妃たちのボディガードを務めた、特殊な階層の人々だった。それがイギリス統治の時代にその制度が廃止され、ヒジュラたちはストリートに放り出された。今では、結婚式や子供が生まれたときにblessingの儀式を行うか、物乞いをするか、売春をするか、の3つの選択肢の中で食いつないでいる、というグループである。

確かに車で町中を走っていると、信号待ちをしているときなどサリーを着た男の人(だけど女の人)がよく窓をコンコンと叩いてお金を求めてくる。今日訪問したヒジュラグループのドンは、もうどこからどう見ても普通のおばあさんで、ヒジュラ歴60年の大ベテランだった。ヒジュラは非常に厳格な、保守的なヒエラルキーの中で暮らしている。グルと呼ばれる彼女の前で、下っ端のヒジュラたちが口をきくことは固く禁じられ、グルの許可なく部外者にヒジュラの暮らしを話すこともまた固く禁じられている。破ればグルから虐待を受ける。グルは毎日決まった額の奉納金を下っ端のヒジュラたちに納めさせ、金額が定額に満たなければこれもまた虐待の対象となる。グルである彼女はあがりだけで暮らし、そのあがりで下っ端まで含めたグループの生活を回しているのである。彼女の家は「ひどいところだから用心して」と言われていた割に、適度に広く、適度に快適で、大量の真鍮食器が天井から床まで並んでいた。出されたコーヒーも甘くておいしかった。

アルコール中毒であるそのおばあさんは、ドスの効いた声で話し、多分に話は脱線したけれど、知的レベルの高い、しっかりとした人であった。私に向かって「パスポートを申請するから、もらえたら私を日本に連れて行け。そしたら日本で踊ってやる!」と言って歌を歌い、手振りをし、周りを大笑いさせていたけれど、帰るときには真剣に私の頭に手を置き「神のご加護を」と祈りをささげてくれた。おばあさんの手は、大きくてごつごつしていて、「男の人の手」であった。彼女の下っ端のヒジュラの子と帰り道に話をしたけれど、彼女はか細い、でもグルと比べると「男の子」の要素の多分に残った(髭、ちりちりの髪の毛、サリーのおなかから見える体毛などなど)人だったけど、とてもソフトででも芯のしっかりした人だった。「美容院をやりたいの。自分はいい家の出身だから、物乞いをして稼ぐなんて私にはできない」と、大きな目で真剣に訴えてきた。

ヒジュラコミュニティの多くは、IDを持つことができない。インドでは戸籍がないから、自己証明は納税カードや選挙カード、運転免許証や居住証明書(政府発行)を持って行う。でも、生まれた家を捨て、ヒジュラのグルに養子にされることで名前が変わり、性別も男でもなく女でもない彼女たちは、往々にしてIDを発行してもらうことはできず、したがって選挙権もなければ携帯電話の番号すら合法的に入手することはできない。ましてや銀行口座を開くこともできないからお金を借りて事業を始めるなんてことは夢のまた夢なのである。

ヒジュラのグループ内は多様である。進歩的考え方をもつ者(とってもレア)、保守的な古いしきたりと厳格なヒエラルキーの中で生きている者、売春をする者、HIV感染する者、絶望している者、誇り高く生きる者。このおばあさんのグループはヒジュラの中でもおそらく恵まれたグループだと思われ、結婚式や子供の誕生時に行うblessing(祈り)だけで生計を立てているという。来週は違うNGOに属する違うタイプのヒジュラグループを訪問し、その多様性を探る。そんな中で、下っ端のヒジュラたちに教育と職業訓練の機会を供与することで、彼女たちが希望する仕事を通じてささやかな収入を得、そのことによって人間としての尊厳をもって生きていけるような仕組みを考え、実行したいと思う。
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