So-net無料ブログ作成
検索選択

マイクロファイナンス@インド(私見) [Microfinance]

私たちが今やろうとしている、社会開発型マイクロクレジット事業は、インドではなかなかマイクロファイナンス機関(以下、MFIという)が手を出せない社会的最弱者層の人々をターゲットにしている。マイクロファイナンスというと、あたかもそれは貧困削減のツールとしてのポジショニングを確立しているかのように思われ、「社会的最弱者層の人を対象にせずして誰を対象者にするんだ?」と思われるかもしれない。

インドではアンドラ・プラデシュ州で2010年、MFIの顧客である農民たちの一部が返済不能に陥いり、あまりに取り立てが厳しかった&村社会という環境の中でその状況が苦痛となり自殺者が相次いだ。ここまではどこかで聞いたことがあるような話。インドはここからが違う。農民に政権基盤を持つ政治家たちがこの状況に介入したため、同州ではMFIの顧客(=農民)は今までのローンを返済しなくてもいいという法令を作った(ローンの踏み倒しが合法化されるなんて聞いたことがあるだろうか?)。その結果、同州で操業してきた大手のMFIが倒産の危機に追い込まれ、その影響は他州にも及んだ。最終的には、インドの中央銀行がMFI規則を定めたのだが、プロダクトからプロセス、果てはMFIの内部オペレーション方法まで細かく規定され、MFIの活動は大幅に制約を課され、現在に至るまでインドにおけるマイクロファイナンスを取り巻く状況は、MFIにとって極めて強い逆風にある。

その規則下では、住居証明がない人はMFIの顧客対象外である。農村の状況はまだよくわからないけれど、少なくともムンバイには住居証明と無縁で暮らしている人はごまんといて、私たちの事業パートナーが「彼らは住所を、私たちが服を着替えるのと同じように、変える」と表現する状況がはびこっている。前回ブログで紹介したヒジュラの人々もしかり、身を隠さなければならない状況が多い売春婦たちや、不法占拠地に暮らすゴミ拾いコミュニティの人々もそうだ。彼らの多くは、住む場所もお金も、仕事と呼べる仕事もなく、愛してくれる、守ってくれる家族も社会もない。だからこそ社会的最弱者層なのだ。そして、マイクロファイナンスのようになんとか毎日のお金をやりくりするためのツールにもアクセスできないから、そのどうにも回らない首は更に回らなくなってしまう、という負のスパイラルに陥っている。

MFI側も貸し倒れを防ぐ手段が見当たらなければ、それら社会的最弱者層にunsecured loan(無担保ローン)を提供することは難しい。5人組などのグループを課し、連帯責任という枠組みを担保することでその貸し倒れリスクを防いできたが、これはそもそもコミュニティ基盤のあるグループでしか機能せず、それら社会でも最近はグループローンの弊害(自分の財務状況を隣人に知られたくない、能力の低い隣人の返済をなぜ私が助けなければならないのか、などなど)の方が強調されているため、リスクヘッジの手法としては有効でなくなってきているのが現状だ。そんな中で、都会の、各地域からの流れ者たちの集まりであることが多い社会的最弱者層にこの手法が有効だと考えるのは、あまりに安直すぎる。

そんな背景の中、どうやって貸し倒れを防ぎながら、最弱者層の人々が貧困の負のスパイラルを抜け出すことができるか、それにただただ腐心してプロダクトを作る作業をしているのが、最近の私。そしてそれをするためには、もっとクライアントを知らなければならない。ということで、とにかく会う回数を増やす。ヒンディ語ももっと勉強しないといけない。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。